ブックデザインラッシュ〜その10 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」の巻
ワッツア!
ブックデザインラッシュ第10日目!
なのですが...
いつも当BLACKMARKETの書籍のブツ撮りをお願いしているアッキーが
さいきん売れっ子すぎる(チッ)ようで海外ロケばーっかし行ってんので撮影スケジュールがあわず
未撮影のブックデザインがたまりにたまって、このブックデザインラッシュ!まで滞るようになってしまいました。
そろそろ吊るし上げなければいかんな、あのクソガキ...。
とはいえ、餅は餅屋。おれが替わりに撮ってもさすがにあのクオリティは出せないし、
第一めんどくさいじゃないですかぁ?
あーほんとにどーしよっかな〜、
と頭を抱えつつアイスを食べてたところに
カメラマンやなだいくこ氏が遊びにやってきました。
こりゃちょうどいいや!
未撮影の書籍の山を前に、以下、見苦しいほど媚びへつらうおれの姿です。
ねえ〜お願い明日までにこれぜんぶ撮ってえ〜。
サクッとさ〜超テキトーでいいからさ〜
テーブルに白い紙ひいて自然光でチャチャッとさ〜
え?ライティング?いらないいらないそんなもん!
絞り?あーどうでもいいどうでもいい、撮れてりゃもうなんだっていいからさ〜
ダメ押しに喜楽亭でランチをおごってあげると、
予想どおり人のいい彼女は苦笑しながら快諾。速攻で撮ってもらいました。
よし!準備は整ったぜぃ!
金谷俊一郎の速攻!センター日本史B
著:金谷俊一郎 (文英堂)
あれ。
ブツ撮り写真のトーンがなんだかふんわりしたような気がする って?
色が浮いてるけどレタッチしてないの? って?
あ〜〜うるさいうるさい!
気のせい気のせい!ぜんぶ気のせいだよ!(当面はこれでいくんだよ怒)
さて!
気をとり直しで本書。
いまやテレビなどでおなじみ(らしいね)の金谷俊一郎先生のセンター試験対応の日本史問題集。
金谷先生初のセンター試験問題集、ということで学参業界の期待値も高い一冊、なんだそうですよ。
赤い透明なシートを問題に重ねて、答えを隠しながら解く、っていう例のアレで、
おれもさっそくおもしろがって解いてみました。
義務教育9年ぶんの記憶が鳥越ってる(ボケてる)わたくしだけに
難しいちゅーか、歴史の流れうんぬんよりまず「律令制」「御領所」など個々のキーワードがまったく出てこないッス。
当然惨敗でした。
この歳で無知無学を思い知り茫然自失のおれ。
とつぜんですがおれが日本史で覚えていることベスト3〜〜〜!
●物部守屋を弓で射殺したのは「トミノオビトイチイ」、
●「白河の清きに魚も住みかねて元のにごりの田沼恋しき」、
●「生麦事件」(なんだか美味しそうな事件なので)、
あたりです。あ、なんの脈絡もなくすいません。
脈絡もなく、で思いでしたんですけど、
類書とは違う本書の特徴といえば
担当編集Y女史の奇策、いきなりのこのかなにゃん、
かなにゃん。
千葉県富津市金谷のご当地ゆるキャラだそうで、「金谷つながり」ということで本書に大抜擢。
金谷先生といっしょに日本史を旅する、というていで本文でも活躍しますが
背後に資本の匂いが毛ほども感じられない
というゆるキャラのアイデンティティに回帰している点で、おれは好ましく思いますにゃん。
かくいうおれ殿下は若いころ、
続けて何度も通ったくらい富津市ってほんとにいいところ。
(おれは金谷のちょっと南の富浦ってとこによく行ってた)
春にはびわもぎを楽しんだり、
かなり天候がよいのでシーズン前の6月でも余裕で海あそびできますし。
民宿で美味しい魚をいっぱい食べて飲んで、勘定はというと、呆れるくらい安かった記憶があります。
アクアラインができてからは逆に一度も行ってないので、今年は一度遊びにいってみっかなー。
おっやばい、
本書のではなく、富津市の宣伝になってしまった。
世は日本史ブームらしく、書店でも日本史関連書籍はけっこう売れているそう。
ISテロ戦、EU移民問題、ブリグジット、中国の暴力的肥大化、アメリカの混乱・迷走、など
激しく壊れてゆく世界秩序の動きの中で
あらためて「日本という国の成り立ちを学びなおしたい」という機運が高まってるようです。
おれも売れてる日本史ものをざっと立ち読みチェックしてみましたが
著者名がいくらご立派であっても毒にも薬にもならない系が多いなとは感じましたがね。
単に雑学博士になりたいのなら別だけど...。
たとえば本書はあくまで「受験用学参」ですが
ベーシックに日本史の流れを俯瞰したり、史実を単純に再確認できるので
たとえばこうゆう学参から始めた方がむしろよいのでは?
そのうえで「戦国時代」や「幕末から明治へ」などおのおのの興味がある時代に飛び、
その時代周辺の書籍や映画などを深めにDIGしてゆくってやり方のが
歴史ってもんが実在感ともなって人間の血となり肉となりうる、と、おれは思いますねー。
※ちなみにまず近・現代史を最初におさえとく方が、歴史を「線」として実感できるんでベターなのではと思う。
ちなみにおれが日本史の中で一番ワクワクする時代はなんといっても「縄文時代」。
縄文/弥生の時代的・地域的区別は正しいのか、いまだ議論があるナゾの時代。
とくに縄文時代の土器や土偶など、「美術」という概念が確立してなかった時代の美術品に、ホント心惹かれます。
日本の美術って京都を中心とした枯れ・侘び寂びなどに代表されるものだと
おれたち日本人自身も強固に思いこみがちだけど、
あくまでおれの私見ですが、あれらは徒花(あだばな:外見は華やかでも実質を伴わないもののたとえ)であって
おれは日本、とくに関東以北の人間の根本って
縄文的ダイナミズムにあると思うんですよねー。
その話は、もう日本人論とか岡本太郎論(縄文ダイナミズムをファインアートに持ち込むことに成功したほぼ唯一の芸術家だと思う)とか
壮大な話になっちゃうので
また別の機会に!