BDAP天竺へ〜 #7-アポカリプス・なう
このBDAP in India編。もうpart7になっちゃった。
じっさいブログ上じゃまだ1/1、旅の前半も前半。到着してたった5日しか経ってねえ。
サクサクスピーディにアップしなきゃとは思いつつ、
渡印の3週間分たまりまくった仕事をどんどん処理しててかなり忙しめでさあ。
やっと落ち着いてきたんで、京都の件とか自宅マンション外装工事の件とか
究極のティーセットの件とかマコちゃんがいつも仕事のジャマしにくる件とか
いろいろ書きたいことあるけど、それは順次な。
ということで1/1、おれBDAPは目下バラナシ滞在中。
本日は写真一枚につきコメント一文、という省エネ節電スタイル like OLブログ
みたいな感じでいっちゃいたい〜
ゲストハウスでカレーの朝飯。またもやレンズに指入りすぎだって...
ここバラナシ。屋根の上はなぜかサルの惑星。
この町の構造、ガンガー沿いにずらっと“ガート”と呼ばれる船着き場が果てしなく並び、
ガンガーを横軸として、それぞれのガートから内陸にむかって縦軸にストリートが伸びる感じ。
そしてストリートから横道に入ると、そこは無数の小路が毛細血管のように細く入り組むラビリンス。
ここはシバラ・ガート。ストリートはわりとにぎやか。
ホテルのお兄さんとそこら辺をフラフラ散歩〜
髪ボウボウになってきたのでボーズにしたはいいが
いきなり暴力的なフェイスマッサージ!
迷宮で迷子になってたら子供たちが道案内してくれるからひと安心...
が、子供もまったくわかっておらず全員迷子に...
+
さてガンガー!
ヒンズー教最大の聖地であり、破壊と創造の神シヴァの象徴であるこの大河。
海みたいに川幅が広くて、しかもつねに濃霧でけぶっているので向こう岸がまったく見えない。
向こう岸は不浄の地らしく人は寄り付かないのだって。
さっそく手コキ 手漕ぎボートをチャーターして聖なるガンガーに浮遊してみることに!
船漕ぎのおじさん。超優しくて謙虚なナイスガイ。
このおじさんの強い薦めで、おれもガンガーの水を飲んだというわけで、
善人なのかじつはイタズラ好きなのか?(水はけっこうキレイです)
遠くで手をふってる少年を指差して「あれは息子。彼も船漕ぎなんだ」って優しい目をして言ってたけど
代々身分や職業を受け継ぎ、それを決して変えられない。これがカースト制度、なんだよね。
ちなみにユニセフは、カースト(血統・職業等による身分制度を表すため便宜上カーストという言葉を使ってる)が
存在する国としてアフリカ各国・インド・スリランカ・パキスタン・バングラデシュ・ネパール、そして日本を挙げ、
その差別撤廃を求めている、んです。知らなきゃダメだなこういうことは。
白い紙に黒いインクの滴が落ちるような、鳥の群れ〜
川の先にはマハラジャの城があり、いまは博物館になってました。
展示物はガラスケースの中に適当にドサドサ置いた感じで説明文とか無し。
展示物は昔の刀や銃など兵器類が多し。
インドの市井の人々の生活を見るとつい忘れてしまうけど、インドは核を保有した軍事大国であり社会主義国家でもあるのです
駅や空港、街角にはライフルを背負った軍人たちを常に見かける。
+
聖なる川で木の葉のように揺られながら、ガンガーについておれも考えた。
日本じゃどこもかしこもパワスポパワスポって。いいかげんうるせえなっておれは思うけど
パワースポットと呼ばれる場所に神聖さを見る理由って
人工的にしろ自然的にしろ、場所の圧倒的なランドスケープ・デザインの力だと思うんだよね。
伊勢神宮とか華厳の滝とか皇居とか。ぜんぶそうじゃん?
でも、ここバラナシのガンガーは、その神聖さにプラスして、欲望、ずるさ、醜さ・汚さ・残酷さ、
そんな俗にまみれた猥雑さをもすべて飲み込む貪欲な大河。
清廉な聖人君子が静かに祈りを捧げる....、そんな単なるパワスポなんかじゃない。
そこにガンガーという場所のスペシャルさを見てしまうのです。
だから旅人は皆が皆、心穏やかに哲学に浸ったり神について上から目線で考察することなんてできず
ただただ戸惑い、語る言葉を無くしてしまうんじゃないかな。
ここは聖地すら超えた、ただ単に宇宙オンリーワンの何かがある場所、
なだけなのかもしれないぜ。
+
さ〜て、水上で浮遊すること数時間。
あたりも暗くなってきて、ガートに灯りがともりはじめました。
キレイだなー...と思って見とれてたら
人がガンガンに焼けていました。
ここは火葬場ハリシュチャンドラ・ガート。
有名なマニカルニカ・ガートは写真撮影禁止なのです。(みんな撮ってたけど)
運び込まれた死体は、大量の薪で荼毘にふされ、
人間のかたちをした肉体が、焼け焦げた塊、になるまで燃されます。
そのさまを葬列者はときに談笑しながら、ときによく焼けるように棒でつっつきながら、見守る。
骨までよーく焼けたその塊をポイッとガンガーに投げ込み、火葬終了〜。
なんともはや...シンプルな葬式です...。
夜もふけ、そこかしこのガートで新年イベントがはじまります。
人々は唄い踊り楽器を奏で、大音量の音楽と様々な宗教の念仏が濃霧の中に響きこもる。
一種異様な光景であります。
舞台はベトナム戦争終盤。神と呼ばれる男を殺すため、ジャングルの川を上ってゆく主人公たち。
“巡礼”にも似たその道行きの途中に、水上に突如現れる安っぽい楽園...。
映画「地獄の黙示録」のそんな一場面を思い出しました。
すべてがむきだしにさらけ出された国と
それらをコンクリートで覆い隠すことに成功した---ように見える---国。
ホントは世界すべてが、おれら全員が
いまだ アポカリプスなう