BDAP天竺へ〜 #5-インドの車窓から

 

このBDAPインド日記では、

本日は暮れも押し迫った2011年12月31日。

おれはコルカタ駅にいました。

 

 

↓本日バースデイをむかえたBDAPイン・ザトレイン!(この時点でまだ下痢にはなってない)

 

カルカッタはこの日27度!朝晩は10度近くまで冷え込むんですが

 

寝台車のeチケットを手に、特急列車に乗り込みました。

目的地は西北へ680km、ウッタル・プラデーシュ州のバラナシという町。

 

今回のインド旅行のメインイベントであるブッダガヤ(バラナシから250kmくらい)でのイベントが一日先送りになったという連絡をうけたことと、

これから落ち逢う旅の相棒のインド到着も、仕事で少々遅れているということで、

ちょいとスケジュールに余裕ができたので、ここはゆっくり鉄道で移動をすることにしました。

 

 

↑ここは3等寝台車。

ひとつのベンチに横に3人掛け=縦に3ベッド。

それの対面式なので、ひとつのコンパートメントに6人が座って寝ることになります。

これでバラナシまで1300ルピー(2000円くらい)。

 

客席のランクはいろいろ選べて、1等寝台は個室で2000ルピー以上。

2等寝台は対面4人掛け=4ベッドで1800ルピーくらい。

もっとも安い自由席は人でギューギュー詰めでもちろんベッドも無いので、今回はパス。

車両にA/C(エアコン付き)があるかないかでまた価格は変わります。

夏はたしかにエアコン無いとキツそう

 

鉄道チケットリザーブ方法

鉄道大国インド。大きな駅の窓口はいつも大行列でチケットとるのも半日がかり。

老若男女問わずインド人の横入りっぷりは気持ちよくなるくらい堂々としたもの。だしね。

なので一番簡単で早いのは、インド鉄道のHPでのオンライン予約。

とはいえ、カルカッタは長距離列車が出入りする大きな駅が3つもあるし、

正規のシートの他に、TATKALという緊急シート(一割ほど高額)、満席時のウェイティングのシステムなど

旅人にはちょっとわかりづらいシステムがあるので少し不安。

ここは、仲良くしてるホテルのお兄さんにネット上でいろいろ候補を出してもらって、

適当なシートを選ぶのがもっともイージーなやり方。

30分でコンファームできるし手数料も100ルピーとかで済んじゃいます。

 

ちなみにバラナシ、飛行機だと8000円〜10,000円くらいかかる。2時間でつくけど

 

窓には不法乗車防止用の手すりが。屋根に登っちゃう人もいるらしい

 

午前11:45、あっさり定刻どおり出発〜。目的地バラナシ駅到着まで12時間の列車の旅。

インドの鉄道は遅延がマジハンパない...、とは聞いてましたが

なんだちゃんと時間どおりじゃん、とひと安心。

 

このコルカタ駅が始発なので、この時点でほとんど人は乗っておらず、

 

車窓に流れるインドの風景を楽しみ、旅情にひたっていました

 

列車が進むにつれ乗客も増え、

ちょっとシャイなペインターのシャダムさんとヒンディー・アート談義。

しっかりしたデッサン力で古典的な絵を描いている彼、スーパーブッダの写メを見てしばらく絶句...

 

どんどんにぎやかになってまいりました

 

コンパートメントは定員6人のはずが、気づけば12人くらい座っていて

 

「どこからきたんだ」

「どこいくんだ」

「おれのイナカはそこに近いぞ」

「おれの彼女の写真をみせるからおまえの彼女の写真をみせてくれ」

「停車駅でなんか食うか?」

「そのiPhoneちょっと貸してくれ」

「たばこ一本くれないか?」

 

と、ワイワイガヤガヤ

みんな人なつっこくて(図々しくて)、旅人どうしの楽しく短いひとときを過ごしましたが

まあ寝られやしません

 

 

が、22時に車内の電気が消灯、

するとクモの子を散らすように人も消え、どっから来たんだ?

めいめいが自分のベッドにもどります。

ひとしきり静かになった列車内には

力強い車輪の音と、ときおり鳴らす汽笛、そして人の寝息だけがかすかに響きます。

 

 

とはいえ、こちらは0時前に到着予定。

車内には到着駅のアナウンスも路線図も、もちろん電光表示板なぞ皆無、

20分おきくらいに停車する暗い駅のプラットホーム、そこにある駅名表示も日本みたいにわかりやすくないし、

次の停車駅の表示も無い。

とにかくドアの前に陣取り、駅に停車するたびに駅名をいそいでチェックするしかない....

ねむい....

 

 

無言で闇を走る列車。

重い鉄のドアを開けたまま、転げ落ちそうなほど身をのりだし前を向く

進む先にはインド北部名物-濃霧に煙った果てしない暗闇しか見えないけど

その行き着く果てに、なんだか希望が待っている気がする。

 

「おれは自由だ!」

 

時折こういう瞬間があるから人は生きてゆけるのかもしれないね

 

 +

 

てかもう午前3時、いまだバラナシ見えず。

インドの鉄道、やっぱし遅延ハンパなかった...