輝け三宿映画祭(2011上半期)ワースト2!
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ワッツア!
さっそくいくぜ
ワースト2位!東京島!(篠崎誠 日本/2010年公開)
概略:“アナタハン女王事件”に着想を得た桐野夏生の同名小説の映画化。
嵐で無人島に漂着した夫婦。おなじく島に流れ着いた多くの“イケメン”たちと、男23人・女1人という共同生活がはじまる。中国人集団、中東の女達も入り乱れて、サバイバルが加速してゆく...
まずwikiでチェック→“アナタハン女王事件”
ね?、超面白そうでしょ?
桐野夏生さんの原作は読んでないんだけど、いかにも面白そうな題材に胸がワクワク!
古くは「15少年漂流記」や「ロビンソン・クルーソー」などの小説や、映画なら「キャストアウェイ」みたいな“無人島クラシックス”ってのは俺大好きなわけで。
しかも無人島に漂着した男と女ってことで、すわ、「流されて...」みたいな倒錯したエロスが描かれるのか!?
もしくは「es」や「ウェイブ」のように、閉鎖された場所での集団心理がパニックにまで発展し殺し合いがおこるのか!?
その結果、「ひかりごけ」←漂流、や、「生きてこそ」←遭難 さながらカニバリズムにまで!?
...な〜んて思って本作をDVDで観たんですよ。
....見終わって...
この映画にかかわった関係者全員を探し出してブン殴りたい衝動にかられました!
いい悪い、とか、好きキライ、とか、傑作駄作、とかの話じゃなくて、本作は映画としての体をまったくなしていません!
おなじく2010年の邦画話題作「告白」は映画としての体をなしていない部分は同じですが、「告白」はそれを意図して意識的にやった映画。評価はどうあれ、そこは評価されていい映画だとは思うんです(おれは低評価だけど
でも本作はね、びっくりするよ!
なんてゆかさー、いつもさ、おれらがテレビや映画観てたら、ごくフツーに自然〜にストーリーに入っていけるじゃん。おもしろいつまんないにかかわらず、別に意識しないでもスクリーンなりテレビ画面にぼーっと見入っちゃうじゃん?
それが難しいんだ...この映画...。
前シーンと次のシーンのつながりとか、役者の演出とか、ストーリーが展開してゆく流れとかがブツ切れみたいになっててるというか...。とにかく1シーン1シーンがそれだけの塊みたいになって次のシーンにスムースにつながっていかないの....。
例えるとしたら...1コママンガを4つ足した意味不明な4コママンガ。みたいな。
こわっ... ダダイズムか.....
木村多江さん(ぐるりのこと好演!)とか窪塚洋介くんは役者としておれは大好きだし、彼らの演技じたいは悪くないんだけど、いかんせん演出や脚本が前述したようにダダイズムなため、彼らが空回りしちゃってるんだよね
ここでもいっちょ例え。...中華料理屋さんでAセット頼んだら、ラーメンと焼きそばと食パンが来た。そして皿はなぜかエルメス。みたいな?
それぞれ単体ではまあ食えるんだけど、組み合わせが、ねえな....というかさ...。
とにかく本作、あらゆる面で出来が悪すぎるどころか、あきらかに破綻しております。結果、無人島サバイバル映画としても、オフビートなコメディとしてもまったく見る所の無いクソ映画です。「メッセージ」的なことを登場人物に台詞でペラペラ喋らせたりはしてますが、時すでに遅し。メッセージや言いたいことは、映画全体の総合的につくられないかぎり届かないんですよ...
制作者サイドはこの映画をつくるうえで観客に何を語りたかったのか皆目見当がつかないんですが、これからちと意地悪な解釈をしてみます。原作者や脚本家など含め本作の制作サイドには女性スタッフが多いって耳にしたので、これはもしかして
「あたいたち女は若いイケメンはべらせて
エルメス着てりゃそれだけでOKっしょ?!」
みたいな、ある種類の女性がもっている痛〜い妄想で作られた映画なのかも。
おれは今後、本作をこう呼ぶことにする
「花より男子 年増版」と!
あ、大友良英さんの音楽は唯一よかったよ!