輝け三宿映画祭 2011上半期 その2やっとアップ!
にいく前に...
アッキーとのプロジェクト3.11everydayが、スペインはバレンシアのニュースペーパーLa Voz電子版に登場〜
スペイン語でなにがなんだかさっぱりわかりませんがみてアモーレ。
だいぶ忙しくてブログアップとどこおってて。悪りいなヒマ人ども
ダラダラ続いてる三宿映画祭ランク発表、そろそろ終わらせちゃおう
第2位! 息もできない(ヤン・イクチュン 韓国映画 / 2009年公開)
舞台は韓国ソウル。暴力でしか自己表現できないチンピラ男と、女子高生の交流。そして、2人の悲しい運命。
原題「トンパリ」(糞蠅)。2009年の各国の映画賞をのきなみ受賞した本作。イイ!イイ!とは聞いていたけどまさかこれほどまでの傑作だとは。
ソウルの隅の隅っこでおこった私小説的なミクロな物語から、人間、とくに男性という生き物、の普遍的な欠陥、みたいなマクロなテーマが次第にあぶり出されるって感じ。
はじまりからラストまで暴力の連鎖が続きますが、でもその中にも笑いやユーモア、友情や愛情、人の暖かさなどの描写もしっかりあって笑ったり泣いたりなんですが、そんなポジティブな部分も一種独特の不穏なムードが背景にあることで、全編ピリピリとしたまさに息もできない緊張感。
おれも、時には暴力で物事を解決することを非と思わない(若い頃ね)タイプの人間であるので、
「こいつ殺っちまうっきゃねえ」って高揚する感じとか、
逆に「これ以上やって死んだらどうしよう」とか...、そんな気持ちをちょっと思い出したりとか...。
殴る前に一拍置いてタバコ吸う感じとか、超リアル...。
とかく暴力は恐ろしいとは思いつつも、ケンカが強い男に見られたいって顕示欲、とかさ。
暴力を行使することで全部キレイに片付いちゃう、ボコれば服従させられちゃうってことのインスタントな誘惑。
暴力に魅かれる心理って、男なら誰しも持ってるんじゃないかな。
とにかくおれは、ツッパり加減や、厄介なところ、自分ではどうしようもできないジレンマを抱えた不遇さ、時折見せる不器用な思いやりなど、すべてふくめて、主人公サンフン君が大好きになってしまっていました。
もちろん本作は単なる暴力映画ではなく、主人公とヒロインの心の交流を軸にして描かれる超一級のヒューマンドラマであり、超一級のエンタテイメントでもあります。
何度となくグッと心をつかまれる名シーンがあるのですが、
とくに、サンフン君の父親がああなっちゃうとき突如現れ、消える2人の人物?のシーン
そして誰もが讃えるであろう、孤独なサンフン君とヨニちゃんが、お互いの本当の境遇を知りもせず、はじめて互いに無防備な姿をさらけだす漢江での名シーン。
悲しく切なく、そしてほんの小さな救いが大きく輝くこのシーンは、誰もが激しく胸を打たれるところでありましょう。
こんなに号泣したのは、う〜ん
五郎さんの「まだ子供が食べてるっしょや!」(北の国から)以来!?
あれ?ちがうかな?
とにかく本作、これは絶対観たほうがいいっしょや!!!!!!!
さー次回はとうとう第1位!