アウター・ダーク
ワッツア!
TOPページでおわかりのとおり春風社さんとの初コラボレーション!
OUTER DARK Tシャツつくりましたー
なぜこのTシャツができたのか、ざっと説明しますと
アメリカ文学会の異形の巨星 小説家コーマック・マッカーシーのデビュー第2作目「OUTER DARK」って作品がありまして、
永らく日本では未訳だった本書がついに2023年12月、山口和彦先生の訳で、横浜の春風社さんから発刊!
その装幀をおれが担当しまして、
小説じたいかなりエグい内容なんですが、負けじと装幀もまたエグ味マシマシ、サタニックな仕上がり。
この装幀、おれ自身かなり気に入ってまして、ノリノリついでにTシャツも作っちゃうべ♫
って流れでオフィシャル・サンプリング。コラボTシャツ制作とあいなったのでした。
こころよく制作許可いただいた春風社編集O氏と、翻訳者の山口先生にBIG UP!
+
おれ的にマッカーシーという作家を強く意識したのは、小説、からではなく
まずはやっぱこれ
マッカーシー原作・コーエン兄弟監督の怪作、ノーカントリー!...というか
ハビエル・バルデム演じるシガーその人ですよね
圧縮空気ボンベを背負ってシュッポンシュッポン 淡々と人を殺しまくってゆく所謂「暗殺者」の彼。
もはや「人」でもなく、「悪」すらも通り越した彼の衝撃的な怪演に、
ぎゃっはははと爆笑しつつも背筋がゾーッと凍りついたことを覚えてます。
かようにおれはマッカーシー作品は映画から入ったクチなんですが、
おととし、自分が装幀を担当した「果樹園の守り手(The Orchard Keeper)」のお仕事に取りかかる前に
ゲラ(原稿)を読み込むわけですが
実はそれが初めて読んだマッカーシー小説になります(しかもマッカーシーの処女作)。
有名な話ですが、マッカーシー小説の台詞部分には「」かぎかっこ が無い。
あと、任意(←ルールが謎)の箇所が太字(原書はイタリック)になる。
風景描写がおそろしく微細かつ長い、
などなど読み始めこそ独特の文体に手こずらされましたが、
読み慣れると「映像コラージュ」みたいなビジュアルイメージとして文章が頭に入ってきましたね。
あらすじはここでは割愛するとして(ぜひ読んでみて)
読後感は、ポン・ジュノ「殺人の追憶」とか、デビッド・フィンチャーの一連の作品・とくに「ゾディアック」観たあとに似てました。
問題が何ひとつ解決されないとことんビターな結末なんだけど、読後、ほんの少しだけ世界が違ってみえる、
それは絶望とも希望とも違っていて...って感じでした。
物語の舞台は100年前にもかかわらず、問題意識や結末のつけ方が非常に今風ってか超モダンなんです。
(もちろん山口先生の名訳の存在意義も非常にデカい)
他のマッカーシー作品も、登場人物のほとんどが狭い世界で生き、結果、狭い世界でドン詰まる話が多いです。
物語を俯瞰した視点とか、システムの全貌とかが、登場人物にもおれら読者にさえほぼまったく知らされないまま終わる。(首切られてゴミ捨て場にポイっとか)
何がコワいのかもわかんない。それが心底コワイんです...。
+
とまあ、おれレベルの知見&語彙力でマッカーシーを語れるワケもないのでこのへんでやめときますが
あらためてOUTER DARK Tシャツ販売中!
今なら総額1万円以上お買い上げの方には送料も代引手数料も無料です、え〜いもってけドロボー!
ということで、
Tシャツも小説も手に入れて、きみも暗く深いマッカーシーの世界を堪能してみてはいかがか!?