ヒゲとボインに憧れて
ワッツァ!
残暑のきつい日射でデスク周りがライク灼熱のビーチ
夏休み気分をひきずったまま焼けた皮膚を剥き剥き仕事にいそしむ
おれが斉藤啓 a.k.a.殿下 インザハウス!
夏の終わりだAORだ!ネタはおなじみ「風のシルエット」だ!
盆が明けたらいつもどおりのタイトな一週間。
そのさなかさきほど作品アップしたので(4つだけですけど)見てくれよな
+
皆様おかげさま。我が社は7月で無事決算終了(揉み手)。
8/1からスタートした今期もブックデザインをはじめ、いろいろなデザイン仕事やらせてもらってるんですが
それに付随するかたちでイラスト描くことがけっこう多くなってる今日このごろ。
このBLACK MARKETにもイラストレーションというカテゴリーが新設されるのはそんな遠い話ではなさそう。
なので本日は営業がてら、おれ斉藤啓のイラストについて語らせてもらっていいかな?
いいトモロヲ田口は鉄男2!
おし、いい返事だ。
さてイラスト、と一口に言っても
おれの描き方というかスタイルは
だいたい4つのパターンに分けられるのかな。
その1.線画スタイル
▲ 三菱UFJニコス 雑誌広告
▲ 行ってはいけない有名店〜 挿し絵
このスタイル、おれ的にもっともベーシックな描き方というか...ぶっちゃけ一番ラクに描ける方法。
細い起伏の少ない線でカリっとクリーンに描く。
これは大好きだった藤子F不二雄先生のドラえもんやオバQからの影響なのかも。
ともあれ小学校にあがるころくらいにはこのスタイルをざっくり確立、
仲間内で描いていたまんがや、クラスの文集のイラストなどはこのスタイルで描いてました。
当時は画用紙に2Hくらいの硬い鉛筆をメいっぱい尖らせて描いている感じでしたが、
時代の流れとともにシャープペンシルを使ったり、
水性ペンFINE POINT(←さいとうたかおがゴルゴ13を描いていることで有名)の0.1mmに持ち替えたり。
そしていまはPilotのHi-Tech Cという水性ボールペンで描いてます。細さは0.3mmと0.25mmを併用。
小学生当時と同じくまず絵を紙に描き、
それをスキャンしてPHOTOSHOP上で色づけしてゆく制作方法をとっています。
その2.影絵スタイル
▲ すべてSSA英会話シリーズ 表紙イラスト&本文挿し絵
▲ Human Value パンフレット イラストレーション
この影絵スタイル、今年2月ごろにデビューさせました。
「ピクトグラム」や「アイコン」などを基本に、てかまぁぶっちゃっけ言うと
AD寄藤文平氏の例の「アイコン」イラストの考え方をコピーキャット、
それをなんとか自分テイストに置き換えられないかと試行錯誤した末の画法、って感じ。
一般的なアイコンが持ついわゆるユニバーサルデザイン的なインテリ&クリーンな感じじゃなくて、
ダーティでガサガサした感じを強調することで自分らしいストリートワイズ感を演出してるつもり。
描くモノやコト自体も「らしい」ものを厳選してるつもりです。
本スタイルお披露目前は、前述の寄藤氏アイコンスタイルと
「似てる〜」
って野田凪よろしく言われやしないか心配だったんだけど、
どうやら少しはおれ流のトーン&世界観に昇華されているらしく、信頼できる周囲に
「なんかわかんないけど黄桜のカッパに似てる...かも」
って言われたのは内心ホッとしたし、かなり嬉しかった。
上の写真↑Human Value パンフレットなど、カラフルに着色したものの見た目はとくに
「ポスターカラーで描いたような」「ゴム印で押したような」「質の悪いガリ版印刷のような」
アナログ感を醸し出すよう処理していますが
実際はすべてコンピュータ内で完結している画法なんですよー。
その3.ベタ絵スタイル
▲ モトコさんの生活単語帳 表紙イラスト
▲ やり直し英熟語 表4イラスト
▲ 逗子マリーナ マンスリー・パンフレット 本文イラスト
前述の影絵トーンがフォルム的にかなりシンプルだったとすれば
これはさらに万人に受け入れやすいようにキュートな色ベタで描くスタイル。
このスタイルを確立するうえでなにより大きかったのが
↑WACOMのペンタブレット!
このおかげで直接Illustrator上にフィジカルに絵が賭けるようになり
基本、直しなしの一発勝負ができるようになりました。
デジタルペンで迷いなくスイスイ描くことで知らず知らずゆるい味が出てくる、って感じです。
その意味で影絵スタイルと線画スタイル(その1.のやつね)の融合進化系って位置づけかな。
が、一発勝負ゆえ描くのにけっこう集中力がいる(量が多いときは作業は夜中が望ましい)ので、
描き始める前はかなりグダグダしてしまいます!
その4.アメコミ?トーン
▲ラダーシリーズ 本文イラスト
▲図解日本のしくみ カバーイラスト
現時点でおれ的には最新進化系スタイル。
その1の線画トーンをベースに、もっと写実的にというかオトナっぽくというか....
おれの描く線が持つ「藤子F不二雄っぽさ」を排除していったらこんな感じになっちゃった、
ってのが正直なところ。
アメコミっぽいと言われますがどーなんでしょ?
(むしろリキテンシュタイン的往年のアメコミ世界?もしくは東京工作クラブ?)
描き方としては、
まずイラレのウィンドウをスクリーンの半分に置き
描くテーマを画像検索でググって探した素材(firefoxのウィンドウ)をもう半分に置き、
それを見ながらおもむろにイラレ上に「写生」してゆく感じといえばいいのかな。
その画像と絵の文脈のズレを意図的に追ったりハズしたりして描いてゆく感じです。
これももちろんペンタブレットが無いとできない技。
そう、ペンタブ、
今年インドから帰国後すぐマコちゃんに使ってないやつをもらったんですよ。
それからすぐにおれは熱狂的タブレット派に転向。もはやマウスはつないでもいません、
いやはやこんな便利なもの、もっと早く使っとけばよかった。
マコちゃんに感謝の印として
梅干ししゃぶらせとこ!
+
てな感じで
僭越ながら本日はおれのイラストスタイルを自分で説明してしまいました。
あなたはどのスタイルがお好き?
このブログ見て
「こんなスタイルで描いて〜」
って依頼をどしどし受付中の大歓迎。
でも気をつけろ、
おれは今この瞬間も進化している。
見たこともないスタイルで描き出したとしても
誰もおれを止められない...ネバー、エバー....
(いや、仕事としてちゃんとやりますから)