輝け三宿映画祭2011 ワースト!
ワッツア!
三宿映画祭2011の結果発表もやっと今回でファイナル〜。
あー疲れた。
毎回さくっと済ませようとしてるんだけど、いつもダラダラ長文になってしまい、
論旨とか要点が散漫になっちゃって...。
読みずらかったらゴメンな。
何かのクリエイティブを、
ただ褒めそやしたり批判したりするのはけっこう簡単だけど
それを自分の言葉で何らかのアウトプットをすることってすごく難しい〜。
でも書いてみてはじめて、おや。と発見することも多くて
やっぱ楽しいし、訓練(何の?)になります!
とはいえ今回はワースト3作品を発表。
お粗末で不誠実なクリエイティビティ。そして腐りきった概念。
ダメさの吹き溜まりみたいな作品ばっかでーす!
それじゃヒィウィゴー!
+
ワースト3位!
デンデラ (監督:天願大介 2011年 日本映画)
70歳を迎えると老人をうば捨てする風習が残る山間部で、捨てられた老婆たちが、再び生きるための戦いに身を投じていく人間ドラマ。佐藤友哉の小説を基に、『楢山節考』の今村昌平監督の息子である天願大介が脚本と監督を手掛ける。老婆たちが暮らす共同体“デンデラ”で苦悩する浅丘ルリ子を筆頭に、倍賞美津子、山本陽子、草笛光子ら、名女優たちが集結。かつてない切り口の女性賛歌映画として生きる意味を問う。(以上、シネマトゥデイから抜粋)
鑑賞料金は一律1000円、とおトク。予告編を観るだに、あの「楢山節考」の続編的な内容!
これは好み!ということでワクワクしながら観てみました。結果は.....
あまりのつまらなさに呆気にとられました.....
ふつうつまらない映画って、
「てめえ金返せコノヤロー!」などと怒りにつながるものなんだけど、
対して本作は、
そーっと忍び足で黙〜って劇場から出ていった方が人として正しいのかな...
と思うような類いのつまんなさ。
「観客をナメくさった制作者たちの、手抜きと不誠実さの塊のような作品」
という映画ではけっしてないんですよ。
潤沢ではないバジェットの中で
それなりに一生懸命作ってると思うし、
ゴージャスな一流の女優さんたちも頑張って演じてると思う。
制作者たちのこの物語に込めた熱い想いも感じるんです。
それが何かはさっぱりわからないんですが。
だけども....(気をつかいながら)
びっくりするほどつまんない......(あくまで小声で)
....例えば、
以下は例え話なので映画の内容とはまったく関係ありませんよ
悠々自適の老後を過ごす、一人のおじいちゃん
ある日一念発起してペンをとり、数年をかけて「自分史」を書き上げたとする。
貧しいけど楽しかった少年時代の思い出......
戦争中の空襲の記憶、
戦後の食糧難、そしておばあさんとの出逢い、
日本の急激な高度成長、オイルショック、冷戦。息子の誕生。
バブルに浮かれる日本へのおじいさんからの警鐘。
そして震災、原発のこと.....
以上、日本の昭和史、平成史と
おじいさんがそのとき体験したり思ったりしたことが事細かにに語られ、
おじいさんの想いがたっぷりこもった「自分史」。
しかし読むとこれが
びっくりするほどつまらなかった。
みたいな。
そんなときあなたは面とむかって
「つまんない」
って言えるだろうか!?
みたいな。
あくまで例えるならこの映画の鑑賞後感はこういう感じです。
いくら一生懸命作ったものでも、娯楽・エンタテインメント・クリエイティブ作品として
ダメなもんはダメ
なんですね....難しいなあ.....
てかあのヌイグルミ熊はやっぱダメなんじゃ... あっスイマセン!!!
+
ワースト2位!
東京島(監督:篠崎誠 2011年 日本映画)
直木賞作家・桐野夏生の同名ベストセラー小説を原作に、無人島に漂着した23人の男と唯一の女性である40代の主婦が織り成すサバイバル生活を描いた人間ドラマ。無人島での奇妙な共同生活を、『おかえり』の篠崎誠監督が活写する。直感と行動力を 頼りに困難に立ち向かっていくヒロインを、木村多江が熱演。共演には窪塚洋介、福士誠治、柄本佑ら個性豊かな若手実力派がそろう。(以上、シネマトゥデイから抜粋)
これは本当に心底ひどかった....
観るも無惨なゴミ映画....というか映画のゴミというべきか....。
この東京島評は、昨年5/26のブログを参照のこと!
本作の監督、篠崎誠氏は決してヘタな監督ではないと思ってたのに、どーしてこんなことに?
おれの職業の立場に置き換えて推察するに...
広告アートディレクターの分野において、
広告制作の過程でクライアントはもちろん、広告代理店、タレント事務所、現場スタッフに至るまで
ホンットにいろ〜んな人間から、いろ〜んな意見が入ってきます。
特にというか勿論というか、一番ハードなのはやっぱりクライアントからのコントロール。
クライアントによってはかなりのビーンボールが投げられることも。
高級感がウリの商品にもかかわらず
「キャッチコピーはキンアカの袋文字で、シャドーもつけて目立たせてくれないか?」
と真顔で言われたりとかね、なんでもアリ。でもこのなんでもアリ感はプラスに働く場合もある、けどね。
しかも担当者1チャンネルからではなく、
多方面(違う担当者、上司、役員、ひいては社長、そして社長の愛人が指示を出すことも)から
それぞれ全く違うコントロールや指示が同時に入ってくる場合だって多々ある。
こうゆうコントロール、
ビッグクライアントのビッグバジェット仕事になればなるほど強くなると言っていいと思う。
社長の愛人はそんなにはでてこないけど
広告ADは「クリエイティブ的感性うんぬん」以前に、まず、
どんなエラい人の意見にも、ダメと思ったらノーと言える精神的タフさ、
そして案件を無理矢理にでもまとめあげる強さ(=図々しさに近い)が要求されるお仕事なんですよねー
ADでもコピーライターでも「感性派」はやはり脱落してゆくのを
おれはこの目でたっぷり見てきた。
このブログ読んでる人たちもそうゆう職種の人が多いだろうから、
わかるっしょ?そのパワーゲームの在り方。
たぶん本作の篠崎監督、そのタフさが欠けているのか....。
プロデューサーや原作者、その他関係者に散々好き勝手にコントロール(いわゆるクリエイティブ・レイプ)
されまくったすえの本作なんじゃないか....
ってのは単なるおれの推察だけどね〜
と思ってたら、篠崎監督、昨年「死ね!死ね!シネマ」なる作品を発表。
その映画内でどうやら「東京島」製作過程の怨念をぶちまけているそう。まだ観てないんですけどね
てかその元気があれば大丈夫、
篠崎監督!次回作は頑張って!
+
そしてワースト1位は、
食堂かたつむり(監督:富永まい 2010年 日本映画)
小川糸原作の同名のベストセラー小説を『ウール100%』の富永まい監督が映画化した、じんわりと心にしみる人生賛歌。失恋の痛手から一時的に心因性失声症を患った主人公が実家に戻り、食堂を開いて人々を料理で癒やしていく様を描く。(以上、シネマトゥデイからコピペ)
やはりかたつむりは強かった!
こんな胸クソ悪いスピリチュアル映画についてもう一度語るつもりは全くないので
詳しくは昨年6/5のブログを参照のこと!
おれが単に“スピリチュアル”を毛嫌いしてるんじゃない、ってこともちゃんと書いてあるからよく読めよ。
この映画をひとことで要約すると
ほっこりあったかい森ガール映画の皮をかぶった
不気味なカルト宗教の勧誘映画 で〜す
ぶっちぎりワースト1位!おめでと〜