メガドリルシリーズ、コンプリート!

 

YO!ワッツア!

 

うう、さぶい。

ふと気づけば寒い時期には湯たんぽがわりに重宝してたハリーがもういないってんだから、もう。

ま、往く人あれば来る人あり。来る夢来る人と書いて来夢来人(らいむらいと)。 ←知ってる?小柳ルミ子の曲なんだけど…

厳冬さえ凍らす冷たい理性と、氷山をもROCKさせる沸騰した血潮を持つ男、

YO! それがおれ斉藤啓 aka BDAP!

 

M.O.P / Cold as Ice

 

+

 

先週・先々週と入稿ラッシュ&大量の外まわり打合せで僕チンへとへと。

ついつい仮病を再発症してみたくもなりましたが、ここはぐっとガマン。

やっとちょっと落ち着きを取り戻した我が誇り高き有限会社ブッダプロダクションズです。

そんなところで、

気づけばわたくしがブックデザインをてがけた新刊がいろいろ発売してましたので

トップページのNew Itemsをチェックしてみてね。

 

そのなかでもとくにおれ自身気に入ってるのがこれ↓。

スリーエーネットワーク『メガドリル』シリーズです。

 

数有るTOEIC本のデザインのなかでも、最も“単純な”デザイン。

装飾を可能なかぎり排したことが、逆に売場では最も目立ってみえちゃうという逆説。

 

▲PART5&6

▲PART7

▲ボキャブラリー

▲リスニング

 

とはいえこのデザイン、紆余曲折がありまして…というのは少しばかり大げさですが、

最初からこのデザイン案で進行したわけではなく、

元々はこれカバー・ジャケットにすっぽり覆い隠されてしまう『表紙』のデザインだったんです。

件のカバーはもうちょい洒落っ気というか装飾っ気があるデザインで了解をいただいてたのですが

入稿デザイン作業がけっこう進行してる過程で、

『あのー、こっちの方がカバーになったほうがシンプルでかっこいいんじゃないんでしょうか?』

とズバリおっしゃったのはスリーエーネットワークのみなさん。

 

おれ的には正直

「タイトルの級数がおもいっきり小さいし、たった1色(バーコードにスミ1色は使うけど)だけだし、

常識的に考えるとこれがカバーになるのはありえないし、これじゃ売れない。

美術書じゃないんだからさァ、素人考えはやめていただきたいな〜」

なんて思ってて、

当初はぜんぜん煮え切らなかったんですよね。

でもこのデザインをプリントアウトしたものをじっさいに本にくるんで棚に置いて四六時中いろんな角度から眺めてたら

さっき自分が思ってたことがヘンな“プロ(ぶった)意識”、に依存したことだってのが見えてきたんです。

それは

『書籍デザインとはこうでなければならない』

っていう、とってもとっても狭いねばあらぬ的考え方。

もっと具体的にいうと絶対に白地&スミ文字でなければ売れない』とか

絶対に書籍タイトルは大きくなければならない』とか

絶対にグロスPPを貼らなければ売場でアピールしない』等々…。

(失礼ながらじっさい出版社の営業とか役員とかいまだに繰り返し言ってますけどね、こうゆうこと。)

ことほど左様に、

実証なんて何もされてない、言っちゃえばおまじないのようなこんなねばあらぬ的考え方を、

いつのまにかおれ自身も身体にまとわせてはいやしないか?

25年続けてきたこの仕事に少しばかり慣れてしまって、

“ブックデザインはこの範囲で作って80点以上とりゃそれでOKっしょ”という

狭くて湿った生あたたかい空気のなかに座りよく落ち着いて、

ひとつひとつの作業を行なう手や、それを冷静に判断する目が緩んできてやしないか?

 

そもそもデザイン、もっと大きく言うならば“表現”を行なううえで

唯一正しいねばあらぬ的考え方とは“自身の表現に自らが制限をかけてはならぬ”じゃないのか?

 

フッとそんな考えが胸の中を駆け巡っていったので、

そう信じたならばおれも姿勢をコロッと180度転換。

あらためてスリーエーの皆様のご提案をそのままお受けさせていただきました。

正直、ご提案を受け入れたあとも「ホントにこれでイッちゃっていいのか??」という葛藤がありましたし

書籍はリアルに売上げ結果が出るので、「このデザインで売れなかったらマジでヤバい…」というプレッシャーも(ま、少々)あったけど

度胸を決めてフィニッシュ。完成したデザインがこれら。というわけなのです。

 

 ▲ディック・ブルーナのミッフィーの絵本の配色を参考に色を決めました。

 

この4冊でいまのところシリーズコンプリート。

amazonのTOEIC部門で一位獲得後も、常に上位にランクインする人気シリーズとなりました。ホッとしてます。。

それもこれも各冊のテキスト内容の充実度が成功の第一要因、なのは当然のこととして、

デザインにおいてさえもスリーエーネットワークのみなさんの、プロぶらない、

いわば「普通の人としての確かな目きき」があってこそ。

 

やってやれないことはないが、

おれ一人じゃちっぽけなものしか作れない、

ガチでぶつかりあうシナジー効果があってはじめて仕事にマジックが起こる、

そんなことをあらためて考えさせられた意義深〜いお仕事でした。

そんなわけで、

さあスリーエーのみなさん、こんなによく書いたのだからもっともっとお仕事をご発注ください。

いやいや!うそうそ、いや本当、だけど…!そんなつもりで書いたわけじゃ…あわ、あわわわ…

 

+

 

と、本日はスリーエーネットワークさんとこの制作秘話を書いてみましたが

おれは出版業界のマスコットなので(断定)、そのほかの出版社さんとも揉み手揉み手で絶賛お仕事中!

今度はくもん出版さんから学習書のシリーズを6冊一挙リリース!です。(そろそろ発売なのでもう言ってもいいだろう。)

その他にも一年越しの電子書籍シリーズ&書籍版、語学書いろいろ、

初の女子向け実用書などなど、今年中には何冊か出せるかな?って感じでシコシコやってまーすです。

 

てなわけで仮病明けでさらに謙虚に、さらに人格者に。

完全無欠にまた一歩ちかづいたこのおれ様を

今後ともよくチェックしとけ!