3.11以降のクリエイティブ

3.11以降のクリエイティブ
ワッツア!

現代に生きている者の1人として、ニューヨークの911に勝るインパクトのある映像や写真はない、とずっと思ってました。
が、今回の311。自分のすぐ身近なところで起こった巨大な喪失として、911以上に心をおもいっきり揺さぶる映像や写真をはからずも目にすることになりました。その映像や写真の個々の現象の奥にある本質をさぐってみると、
「既存の価値観の破壊・喪失、そして来るカオス」
みたいなものが最後に残る。だから大きな不安に襲われるのではないでしょうか


殿下のゆかいな仲間、アッキーことカメラマンの古谷昭洋くんが先週末から仙台の被災地に入ってまして、写真を撮っています
その写真はこんどゆっくり紹介するとして

311以降、アート、芸術、映画、写真、小説など、日本の(いや世界の)表現の文脈が大きく変わらざるをえない時期にきているのはまちがいないところ。

「癒し」に特化する表現あり、もしかしたら「世紀末的デカダン」に帰還する表現もあるかもしれない。「自然」や「日本という国」の捉え方を提示するものや、「暴力性」や「この事態からの逃避」って表現ももちろん出てくるかも。

個々人からどうゆう表現が出てくるかはまったく予想がつかないけど、
クリエイティブを生業とする人間なら、「みんなでがんばろう」とか「ひとつになろう」的な広告代理店的号令がまったく届かない個人の感覚レベルで、311をどう捉えたかを表現するべきだし、声を出して積極的に世界にかかわってゆくことが必要だと思うんです


そして今まさにそれが成立しうる絶好のタイミングだと思うんですよ

「写真なんて撮ってる場合じゃない」とか
「絵なんか描いてもこの世は変わらない」
「いま、アートは世界に対して無力だ」
などと考えて、311以前のルーティーン仕事に戻り心の平安を得ることは、表現ってものに対して不誠実だと思う
心をかき乱すこの世界に、あえて挑戦してゆくヤツこそがリアルだ

おれはクリエイティブを悲観しない、絶対に!